例えば、祖父名義の土地について、
祖父が死亡
↓
父が相続したが、相続登記をしなかった
↓
その後、父も死亡した
という場合です。
祖父の相続について登記をしないまま、父についても相続が発生しています。
この場合には、祖父の相続関係だけではなく、その後に亡くなった父の相続関係についても確認しなければなりません。
さらに、その後に別の相続人も亡くなっている場合には、その方の相続人まで確認する必要が生じることがあります。
「30年以上前に祖父が亡くなっているので、もう相続登記はできないのではないか」
と心配される方もいます。
相続から長期間経過しているという理由だけで、相続登記ができなくなるわけではありません。
古い相続についても、戸籍や登記記録などを確認しながら現在の権利関係を整理し、相続登記を進めます。
ただし、時間が経過するほど、
・当時の相続人も亡くなっている
・相続人の人数が増えている
・転籍などによって取得する戸籍が増える
・相続人の住所が分からない
・当時の遺産分割協議書などの資料が残っていない
といった問題が生じやすくなります。
そのため、古い名義の不動産が見つかった場合には、そのままにせず早めに相続関係を確認することが大切です。
2024年4月1日から相続登記が義務化されました。
相続により不動産を取得したことを知った相続人は、原則として、そのことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
この義務化は、2024年4月1日以降に亡くなった方だけが対象ではありません。
2024年4月1日より前に発生した相続についても対象です。
2024年4月1日より前から相続したことを知っていた不動産については、原則として2027年3月31日までに相続登記をする必要があります。
そのため、
「祖父名義のままになっている」
「父が亡くなって10年以上経っている」
という不動産についても、一度登記名義を確認しておくことをおすすめします。
古い相続登記で特に注意したいのが、相続人の増加です。
例えば、祖父が亡くなった時点では相続人が妻と子3人だったとしても、その後、その子の一人が亡くなっている場合には、その方の配偶者や子などが新たな相続関係に入ってくることがあります。
さらに相続が続いていれば、関係する人が10人以上になることもあります。
相続人が増えると、
・戸籍の収集
・現在の住所の確認
・遺産分割協議
・書類への署名・押印
などにも時間がかかります。
「昔の相続だから簡単」というわけではなく、むしろ長期間経過しているほど複雑になっていることがあります。